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 このコラムを「万葉広場」と名付けました。
万葉集の名にあるように万葉とはよろずの言の葉を意味しています。 私たちが便利に使っている葉書にも葉の字が使われています。 戦国時代にタラヨウという木の葉の裏に文字を書き情報のやり取りをしたのが葉書の由来だそうです。
 「万葉広場」はいのちの電話の活動を推進している私たちが、日頃思っていること、 感じていること、心掛けていることなど、その一端を皆様に紹介する「言葉の広場」です。

コラム35 無差別犯の記事を読んで

 「無差別犯 4割が犯行前に自殺未遂」
 2015年2月3日の朝日新聞に、秋葉原殺傷事件の被告の死刑が確定するとの報道がありました。これはその報道に関連して出ていた記事の見出しです。  2010年3月までの10年間に判決が確定した無差別殺傷事件の元被告52人を対象に法務省がまとめた報告で、52人のうち44%にあたる23人が犯行前に自殺を図っていて、そのうちの14人は事件前の半年以内に自殺を図っていたとありました。自殺を図ったという事実への対応、あるいは自殺を図りそうだという前兆があったとすれば、その対応はどうだったのでしょうか。
 この記事で、孤立していてかつ投げやりで、社会に対し敵意を持っている感じの人からの電話を受けたことを思い出しました。何かのきっかけで事件を引き起こしてしまうかもしれない、社会で孤立してしまっている人が少なからずいることを頭の隅に置いておかなくてはならないと改めて思います。
 もう一つの記事に、秋葉原殺傷事件について著作のある社会評論家の芹沢俊介氏の話が掲載されていて、「無条件に依存できる特定の誰かが子供のそばには必要だ」とありました。
 私たちは相談を寄せてくる人のお話の内容を、価値判断せず評価もしない姿勢で聴くことに心掛けていますが、この姿勢は「無条件に依存できる特定の誰か」に通じるところがあるように思いました。社会に対し敵意をもった話であってもこれをいさめるのではなく、何故そのような考えや状況に至ったかを聴くことで、その人の孤立感を少しでも和らげられるのではないかと考えます。
 いのちの電話の活動は、電話の内容とその受け方によっては無差別殺傷のような事件を食い止めることにも繋がるのではないか、そのためには、孤立している人に私たちの活動を知って貰うための努力も必要だと、この記事を読んで感じました。     (K.S)

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