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 このコラムを「万葉広場」と名付けました。
万葉集の名にあるように万葉とはよろずの言の葉を意味しています。 私たちが便利に使っている葉書にも葉の字が使われています。 戦国時代にタラヨウという木の葉の裏に文字を書き情報のやり取りをしたのが葉書の由来だそうです。
 「万葉広場」はいのちの電話の活動を推進している私たちが、日頃思っていること、 感じていること、心掛けていることなど、その一端を皆様に紹介する「言葉の広場」です。

コラム14  相性

イラスト8

私は食べ物の好き嫌いはない方だと思っています。しかし、一つ一つはおいしいと感 じるのですが、組み合わせるとおいしくないと思うものが、私にはあります。それも 世間ではおいしいといわれているものです。少し例を挙げますと・・・・
オレンジピール(オレンジとチョコの組み合わせがおいしいとは思えません)
ワインに生ガキ(日本酒の方が断然おいしいと思います)
生ハムメロン(別々の方がいいと思いますが・・・)
すき焼きと生卵(甘辛い肉に、ドロッとした卵をつけるというのが、どうも苦手)
チョコミントのアイスクリーム(歯磨き粉を食べているような・・・)
・・・・・・・

これらは、全くの私の好みですが、単純に相性が悪いのだ、と思っています。食べ物の相性は、それを避ければ済みますし、また笑い話にもなります。しかし、人と人との相性となるとそうはいかなくなります。

職場や学校、あるいは親族や家族の中でも、相性の良い人と悪い人が居るように思います。中でも、家族の中で相性の良し悪しがあると、深刻なものになるのではないか、と思います。2011年度、埼玉いのちの電話では、約28,000件の電話相談を受けておりますが、そのうち約1割弱が家族関係の問題を相談されている様です。

親子、兄弟でもいろいろ相性があるように思います。「親は子を愛するもの。子は親をうやまうもの。兄弟は仲良くするもの。」これは当たり前のことのように言われていますが、果たしてそうなのでしょうか。もしもこれが当たり前に出来ていたら、世の中にある問題はかなり少なくなるのではないでしょうか。

親子あるいは兄弟の間で、立場の弱い人が、相性が悪いと感じていたなら、その立場の弱い人は、とても苦しく辛いのではないでしょうか。立場の弱い人とは、親子の間では、子供(年を経るにしたがい、逆転するかもしれません)、兄弟姉妹の間では、力の弱い人(体力というだけでなく)がそうなると思います。

どうしても、「親」は「子」に、自分の考えや気持ち(ときに世間体を気にして)を、強いることになりがちになるのではないでしょうか。それが、例え「子」の為に良かれと思ってやったことでも、「子」はとても傷つくことがあるのではないでしょうか。

「親」は「子」に対して、自分の考えや立場や信条をなくし、世間体も気にせず、「子」の気持ちや考えをそのままストレートに受け止めることも、時には必要で、それはとても大事なことではないかと思います。

もちろん、電話をお受けするなかでは、「親」と「子」のような、立場の差はありません。同じ目線に立ち、対等な立場で、お話を聴くことが、とても大切なことと思っております。

電話をかけてくれた人が、「この人とは相性が合わない」と思われないようにするためにも、自分の考えや信条を、出来るだけ手放すようにしてお話しを聴き、その方の気持ちをそのままを受け止めることができるよう、日々努力していきたいと思っております。

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